ウォーカー・ブラザースはアメリカ出身で1965年にイギリスでデビューした。メンバーはスコット・エンゲル(SCOTT ENGEL)、ジョン・マウス(JOHN MAUS)、ゲイリー・リーズ(GARY LEEDS)。イギリスとヨーロッパ、そして日本ではヒット・メーカーとなったものの本国アメリカではヒット・ソングに恵まれなかった。1967年2月、プロモーションのために来日。数日間の滞在でしかなかったにもかかわらず精力的にテレビ出演や雑誌の取材を行い爆発的なブームを起こす。離日後、彼等のシングル・レコードは次々とヒット、同時期に発売されたビートルズの「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー/ペニー・レーン」を上回る売り上げを達成。特に「ダンス天国」は大ヒットを記録。オリジナルのファッツ・ドミノやウィルソン・ピケットのものまでラジオ・チャートを上昇した。ところが、ウォーカーズは短命で大人気の最中67年5月に突然解散を発表する。しかし日本では彼等のレコードが依然売れ続け68年1月解散コンサートを日本で開くと言う異例の事態が起きる。東京、大阪、京都、名古屋、横浜、5都市でコンサートは行われ東京はビートルズに次ぐ武道館公演を実現した。話は戻って初来日の時のウォーカーズのスマートなファッションはその時代においては随分クールに見えた。しかしスタンド・カラーのシャツにブラック・ジーンズ、そしてスコットは古いドア・キーをアクセサリーとしてベルト・ループにぶら下げるなど今日でも通じるファッション、そのさり気なさと言うセンスを深く心得ていた。そんな彼のスウェード・ジャケットをかまやつひろしが絶賛、渡英する森山良子に同じものを探して欲しいと依頼した記事がミュージック・ライフに掲載された。そのジャケットこそビートルズが着用していたものと同じものである。このスウェード・ジャケット、ビートルズよりもスコットのほうが着こなしは上手かったと思う。スコットの着ているものはジョージ・ハリスンのものと同じベージュである。(写真参照)蛇足だがスコットは来日時、浅草で手に入れた日本の学生服までコスチュームとして着こなし、テレビ出演している。当時、ビートルズやストーンズはサイケデリックな方向に
そのファッション性を変えつつあり、奇抜で派手なその装いはまだまだ一般的ではなかった。トラディショナルでどこかラフなアート・スクールの学生のような雰囲気を持ったウォーカーズ、特にスコットのファッション・センスは本当に素晴らしかった。その後、僕はこのスウェード・ジャケットをピーター&ゴードンのふたりも着用しているのをグラビアで見た記憶がある。彼等もとてもクールでブリティッシュ・トラッド・ファッションを貫いていた。僕はこのスウェード・ジャケットはイギリスに行けば手に入るんだなって、その遠い国に思いを馳せた。そしてタラ・ブラウン(TARA BROWN)がやはりこのジャケットを着用している写真を発見する。タラ・ブラウン、ほとんどの人がこの名前を聞いても首を傾げるだろう?だが、彼はビートルズにまつわる重要人物である。それについては次回に。・・・次回につづく
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