いよいよ今週末、フジロックフェスティバルが開催される!!
そして8月16日からはサマソニが!!
そんな夏のイベントが待ちきれず、6月から7月中旬にかけて、南青山マンダラ、下北沢440やダイバシティ等でのライブハウスからユーミン x Char 、サザンオールスターズ、山下達郎、そして旭川で行われたJOIN ALIVEに至るまで、ホール、ドーム、野外と言った大規模なイベントに参戦、ライブ尽くしの1ヶ月だった。
そんな生音の迫力に圧倒された影響からか自分の中でギター熱が沸々と再燃。
で、ネット検索、昔のギター・ブックのムックなんか眺めているうちに無性に実物、つまりギター・ショップ巡りをしてみたくなった。
何本持っていてもかつてのギター少年はネクスト・ギターの巡り会いに期待している。
ギター・ショップといえばすぐ頭に浮かぶ場所は御茶ノ水である。
御茶ノ水駅から小川町に下って行く明大通りにはギターショップがひしめき合っている。
しかも路地裏に及ぶまでこの街は様々なギターショップが軒を連ねている。
こんなギター・シティーは世界でも稀有な存在だ。
間違いなくこの御茶ノ水界隈は世界一ギターがコレクションされているエリアだ。
以前、ロンドンのバンドをプロデュース、招聘した時、そのメンバー達を御茶ノ水に連れて行ったことがある。
「Ochanomizu」に行きたいと彼らからリクエストがあったからだ。
それほどこのギター・シティーは海外ミュージシャンの間でも有名なのだ。
僕が御茶ノ水にあるギターショップに通い始めたのは10代半ば、1960年代後半だ。つまり50年近く昔。
その頃からこの街には数軒のギター専門店が存在していた。
谷口楽器、下倉楽器、そして石橋楽器は当時から店舗を構えていた。
これらの店舗には今でいう多くの日本製ビザールギターが所狭しと陳列されていた。
エレクトリック、アコースティック、ガットギターやアンプ、ファズ・ボックスなどのエフェクターという新兵器に至るまで、それらのアイテムは十分僕を魅了した。
その中に混じってギブソンやフェンダー、僕には永遠に手の届かないと思われる憧れのギターがアンタッチャブルな雰囲気でディスプレイされていた。
当時、品薄でほとんど見かけることのなかったリッケンバッカー425ワンピックアップ(トースター型ピックアップ)ものが下倉楽器のウィンドウに静かに佇んでいたのを今でも覚えている。
色はジェットグロウ。
ジョージハリスンが1963年短い期間使用していたモデルと同じものだったから尚更印象的だった。
値段は30万。
当時としては軽自動車が買えるような価格である。
そして僕が足繁く通っていたのがカワセ楽器である。
カワセはアコースティックギター専門店である。
マーチンのコレクションは元よりエピフォンコルテッツやドブロタイプのもの、ギブソンJシリーズ等もショーウィンドウの中にディスプレイされていた。
ガラス越しに見るそれらは当時としては現行品のはずなのに既に風格、威厳があった。
カワセ楽器は店舗自体、現在も当時とそんなに雰囲気が変わらない。
今もアコースティックギターに特化したブレない姿勢を貫いている。
店内は当時からどこか格調高い雰囲気があった。
まさにマニアのアコースティックギター専門店だった。
カワセ楽器はマーチンに手が届かないアマチュアミュージシャンやギターファンのためにオリジナル・ブランド「MASTER」を受注生産していた。
種類は3タイプ。
確か3万、5万、7万という価格でオーダーを受けていた。
タイプ的にはマーチンドレッドノートに近く上級価格帯のものはブラジリアンローズウッドで製作されていたようだ。
蛇足だがこのオリジナルブランド「MASTER」は現在も受注生産されている。
もちろん価格帯は50年前とは違う。
その丁寧な作りや素材からして今や「MASTER」ブランドのものの方が品質含め現行モデルのマーチンを凌駕したアイテムとなっているように感じる。
僕がカワセ楽器に通っていたのはこの店のオリジナル「ギター弦」を買うためだ。
コンパウンド、ライトゲージ、ヘヴィーゲージの3種類が当時は販売されていた。
カワセオリジナルストリングスはマーチンを意識したハンドメイドのブロンズストリングス。
価格は¥450。
当時マーチンの弦が¥2,000前後だったことを考えるとこのカワセブランドの弦はとても良心的な価格だった。
10代の僕は御茶ノ水から明大通りを下り石橋、下倉、谷口をウィンドウショピング巡り、そしてカワセ楽器で弦を買うというのが決まりのコースであった。
そこから靖国通りを渡り、すずらん通りの今は無くなってしまった質屋のような店にディスプレイされている中古楽器を眺め、やはりセコハンものが並んでいる質屋のような存在だったキムラヤに時々流れて来ているギブソンなんかを眺めて水道橋駅経由で帰路につくのだった。
一度、キムラヤに1万円でヘフナーベースの中古がディスプレイされているのを友人が目撃したらしい。
翌日彼は1万円を調達してキムラヤに舞い戻ったものの既にそのヘフナーは売り切れていたそうだ。
当時としても中古と言えどヘフナーがその安価過ぎる価格で出品されていたのは謎である。
友人は今でもそのベースがグレコなどのコピーモデルではなく絶対に本物のヘフナーだったと断言している。
さて、2019年、梅雨の晴れ間、とある午後、今や数多のギター専門店がひしめく御茶の水ギターシティに友人ギターテクニシャンY君と僕はいざギターリサーチへ!
ギターは見るだけでも楽しい。あのワクワクする気持ちは10代のあの頃となんら変わらない。
そしてギターシティ御茶の水でまさかのネクストギターに僕は出会ってしまったのだ。(続く)
ROCKER AND HOOKER http://www.rockerandhooker.com/
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