夏本番。
水に濡れたヨットの甲板は滑りやすい。
そんな転倒を防ぐためにソールに溝を施し開発されたのがデッキシューズ(元はボートジュースと呼ばれていた)だ。
元祖はなんと言ってもスペリートップサイダー(SPERRY TOP-SIDER)である。
ここ最近ではVANSやKedsあたりからこのトップサイダーを彷彿させるモデルがリリースされているから見かけた方も多いのではないか。
進化したものではMIHARA YASUHIROなどハイブランドから厚めのオリジナルソールのデッキシューズタイプのスニーカーがリリースされている。
で、50年ほど前、つまりハイテクスニーカー前夜、僕もこのトップサイダータイプのもの(たぶん日本のメーカーVANあたりからリリースされていた)を幾度か所有していた。
当時キャンバス地のスニーカーと言えばCONVERSEかKedsがアイビーリーガースの主流であった。
直輸入だったから当時はキャンバスものでも6,000円前後はしていた。
学生だった僕がこのスニーカーを手に入れるためには少なくとも10日前後のアルバイトが必要だった。
トップサイダーはたぶん前述した2社のメーカーより少し安価であったが当時は1ドルが300円以上の時代である。
made in USAのものにはおいそれと手を出せなかったし僕の中ではトップサイダーは主流ではなかった。
と言うのは甲高幅広の日本人の足にはこの細身のトップサイダーは似合わないのだ。
スウェット&短パンにトップサイダーをさりげなく着こなすジョン.F.ケネディなんかの夏のファッションセンスからは程遠い。
( 余談であるが7〜8年前、加山雄三さんの光進丸に招待された時、実はこのケネディファッションで馳せ参じようと考えていたがモカシンタイプのレザー仕様デッキシューズしか持っていなかったのでどうにも不釣り合いな感じがしてこのスタイリングを諦めた事があった )
CONVERSEやKedsとて細身である。
だから当時からサイズアップして無理やりシューレースを締めて履いていた。
ところがより細身のトップサイダーは大きいサイズのものに巡り合う事も少なく日本製の真似物でも丁度甲高の上に位置するシューレースの結び目は悲しくもV字型に広がり情けないスタイルと化してしまうのであった。
しかもソールが扁平だから歩いていても疲れる。
そんな経緯もあり長いことデザインにもクッション性にも優れたハイテクスニーカーが僕の中では当たり前になりこのトップサイダー型デッキシューズはすでに忘却の彼方、夏のファッションスタイル範疇外の存在となっていた。
ところが最近ふとした事からこのデッキシューズに出会ってしまった。
45RPMのデッキシューズ。
何よりインディゴ染めのブルーが美しい。
恐る恐る履いてみる。
見た目はスマートだが日本人の足に合わせてしっかりシューレースが結べるようなサイジングになっている!
いっきに時代があの頃の夏にフィードバックする!
そんなわけで2022年の夏アイテムとして素足仕様。
ROCKER AND HOOKER http://www.rockerandhooker.com/
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